なぜ私だけが苦しむのか 現代のヨブ記




いきなり重いタイトルになってしまいましたが、読書感想です。

ユダヤ教のラビの悲しみの体験から綴られた、「神」についての本です。僕は無宗教ですので、宗教的な意味でこの本を手にとったわけではありませんが、読後感がとてもよく、感情を豊かにしてくれる本のひとつだと思います。また何といっても、ユダヤ教徒やキリスト教徒の神学的な話を理解する助けになる本です。

この本の山場は、第二章の「ヨブという名の男の物語」でしょう。ヨブ記で知られているというこの話は、神学的なお話でよく出てくるテーマを扱っています。確かカラマーゾフの兄弟でイヴァンが叫んだ、「僕は神は信じるが、神が創ったこの世界は信じない」というやつです(うろ覚えですけが)。考えてみるといわゆる「神と世界の不条理性」というテーマは、グノーシス主義と言われるキリスト教異端の極端な思想なんかも生み出したりしました。この本ではヨブ記の解釈を通してこの難問に簡潔な答えを出しています。どんな答えかは読んでのお楽しみということで。

それにしても原題は『WHEN BAD THINGS HAPPEN TO GOOD PEOPLE』らしいので、邦題とはちょっとニュアンスが違うかなと思ったりもします。

なぜ私だけが苦しむのか―現代のヨブ記 (岩波現代文庫)

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