楽観論(『ウェブ時代をゆく』)と悲観論(『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』)
『ウェブ時代をゆく』を読了しました。『ウェブ進化論』を読んだ方はご存知だと思いますが、著者の梅田さんが意識的に未来志向で書いているらしいので、ネット社会 についてのポジティブな話がほとんどです。それは読む前から予想はついていたので、むしろそういう話を期待して読みました。
本の内容では、Googleが図書館にある大量の書籍をデジタルデータ化しているという話と、ネット社会の新しい職業がどんどん出てくるよという話が特に 印象に残りました。前者はGoogleがそういうことを始めるという話は知っていたのですが、それが実際に着々と進んでいる、しかも2010年にはかなり の数がデータ化されていると聞くと、知識を得たり勉強するには本当に便利な世の中が到来する目前なんだなあ思ってしまいます。その一方で、海外に日本が決 定的に置いていかれていきそうな気がしてなりませんでした。この本でも指摘されているように、データ化されるのは英語の書籍がほとんどでしょうから、英語 ができる人とできない人では情報収集能力に大きな差がつくようになっていきそうな気がします。さらに、たぶん国際標準からみると日本人は英語ができないか ら欧米やインドなどアジア諸国に差をつけられてしまうだろう、と素人考えをしてしまいます。
後者の新しい職業という話は、僕自身がいわゆる文型 (似非)プログラマだったりするので、ソフトウェアを専門的に学んでこなかった人間にもそんな仕事があるということは、まだまだこういった業界が未成熟で あるという証拠のような気がします。大企業をわたり歩く人のキャリアパスも不透明と聞きますし、その意味では誰も答えを知らない面白い業界だということを 改めて思います。
一方で最近のこういった状況はそんなに珍しいことでもなくて、そんなに昔じゃない過去にどこかであったような出来事なんじゃない か、とも思ったりします。産業革命とか戦後の復興とか、そこまで持ち出さなくても人が普通に40年くらい生きていたら経験できるような時代の変化の範疇で はないかと。この辺は時代の変革期を綴った本を探して読んでみると何かあるかもしれませんね。
そういえば去年ひろゆきさんの『2ちゃんねるはなぜつぶれないのか』という本を読んだのですが、この本はネット社会についての悲観的な本なので、今回あった楽観論と対照的で面白いです。散々騒がれた youtube、セカンドライフについても新しくないものは新しくない、つまらないものはつまらないというように客観的な評価を下していきます。また、流 行っているAPI公開だって純粋にビジネスの利益だと指摘できるのは、この人は決して熱狂に巻き込まれない冷静な頭脳の持ち主だからだと思います。
インターネットについての楽観論と悲観論。どちらが正しいかはともかくとして、僕は自分の業界以外のことについて視野が狭くなりがちだと思うので、これって面白いの?新しいの?儲かるの?という客観的な視点は常に持っていたいです。
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
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梅田 望夫
筑摩書房 (2007/11/06)
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おすすめ度の平均: 
21世紀における新たな知的生産の技術とも言える本である。
一生に二生を経る予感
万人に「面白い時代」の可能性を説く元気の出る本




